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蛮 勇 引 力

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ガラ公演2つ観賞記録

 
新潟中越沖地震チャリティーバレエガラコンサート (2008年9月1日@新宿文化センター)
エトワール・ガラ2008 (2008年8月9日@オーチャードホール)
 

 
 
8月と9月に観た2つのガラ公演は、 ある意味、 とても対照的な公演でした。
どちらがいい悪いということではなく、 それぞれに“らしい”魅力をたたえていて、 それがまた楽しいものでした。

パリ・オペラ座・ダンサー中心の「エトワール・ガラ」は、 パリらしいエスプリ漂う内容で、 主催はフジテレビ。
興行的にもそつなくまとめ、 客入りもほぼ満席状態。 プジョル、 モロー、 ベランガールら3名の怪我に
よる降板を、 ルグリ!の出演 で穴埋めをまとめてしまえたのも、 主催者の力なのでしょう。

「新潟中越沖地震チャリティーバレエガラコンサート(以下チャリティーガラ)」の方は、 主催者の規模は小さく、
こういった公演の経験が少ない?のか 不備・不適際も多々みられましたが、 どこか手弁当的アットホームな
ほのぼの感があり、 それが公演の魅力につながっていました。
ロシア系ダンサーが中心の「チャリティーガラ」は、 ダンサーたちのロシアらしいおおらかさと興行のほのぼの感が
マッチして、 とても楽しい公演になったのだと思います。
但し、 そうそうたる出演者であるにも関わらず、 会場がガラガラだったことにはちょっと驚きました。
Toshi(元XJAPAN)のミニコンサートもあり、 Toshiのファンもたくさん押しかけるのかと思いきや・・・。
(1曲だけToshiとダンサーたちのコラボという珍しいパフォーマンスは観ることが出来ましたが、 Toshiの
コンサートonlyは、 バレエ・ファンにはちょっとツラく・・・、 Toshiにも気の毒なような・・・。(苦笑))
あの客入りでは収益金寄付も厳しいだろうと思われ、 興行の難しさを感じた公演でもありました。
とはいえ、 本当に楽しい公演でした。
まだ観たことのなかったイリヤ・クズネツォフが観られることも、 この公演に足を運んだ理由のひとつでした。
ヴァカンス明けで体が絞りきれていないのか、少々重い感じはしましたが、 それでも踊りの美しさとぐっと放つ
色気を持つ、 魅力的なダンサーでした。
特に素晴らしかったのが、 マハリナとの「シェヘラザード」。 「シェヘラザード」といえば、マハリナとルジマトフ
によるものが金字塔のようにありますが、 マハリナとクズネツォフの「シェヘザード」も大変よかったと思います。
マハリナ@ゾベイダは、 より奔放に奴隷を弄び享楽にふけ、 クズネツォフ@金の奴隷は翻弄され身悶え・・・
もしかしたら、 こちらの方がオリジナルの雰囲気に近いのかもしれせん。
誰にも到達できない領域にあるルジマトフによる“金の奴隷”は、 ゾベイダの空想から飛び出してきた奴隷、
奴隷でありながら奴隷ではない、 隷属化されていない魂を持つ・・・そんな存在に見えますが、 クズネツォフの
“金の奴隷”は、 完全なる奴隷。 奴隷であることを“わきまえている”奴隷とでもいいましょうか。
本当は本能の限りに自分の欲望を爆発させてゾベイダを愛したいのに、 自らの身分にひたすら殉じながら
葛藤に身悶える奴隷。 クズネツォフの動きや表現は、 もしやニジンスキーのそれに近いのではないかと
思えました。 
最後の「ドンキ」では、 ノリノリに場を盛り上げたクズネツォフ。 ウォッカをキュッとひっかけては 豪快に笑う、
そんな陽気なロシアな「ドン・キホーテ」もまた楽し。(笑)
カーテンコールで芸術監督のタランダが登場し、 ダンス(ガウチョ?)を披露するや、 尺取虫ダンスやブレイク・
ダンスもどき?までやってみせてくれたクズネツォフ。(笑)
それを見たメルクリエフが、 ええぇぇぇへへへ~?!!というような顔をしていて オカシカッタです。

そのメルクリエフのパフォーマンスは、 この公演の特筆すべきものでした。
メルクリエフの踊りは これまでもちょこちょことは観ていますが、 全幕物で観たことがあるのは マールイ時代も
マリインカ時代も なぜか「白鳥」のスペインの踊りだけ・・・。
今回、 評判高い 彼のエスパーダを初めて観ることが出来ましたが、 なるほど その評判の高さを納得。
なかなか満足できるエスパーダに出会えないことを思うと、 彼のエスパーダは本当に嬉しく、 ゼヒ全幕で
メルクリエフのエスパーダを観たいという想いを強くしました。
エスパーダの素晴らしさもさることながら、 ソロで踊った「アダージオ」も心にしみ込む美しさがありました。
(この演目、 以前「マラーホフの贈り物」で観ている?)
柔らかく、 どこかもの悲しく、 繊細な詩情が流れる音楽ととも紡ぎだされるようなメルクリエフの踊り。 
金髪をさらさらと下ろしたいでたちでの容姿もぴったりとマッチして、 とても美しいパフォーマンスでした。
「眠り」での踊りがイマイチで、 これじゃあプリンシパルになれないよ~と思ってしまったのですが、徐々に調子
が上がってきたよのか、 「アダージオ」と「ドンキ(のエスパーダ)」では、 本当に素晴らしい踊りを披露して
くれました。 ザハロワがコンテンポラリー作品で彼と組むのが多い理由を納得。
惜しむらくはもう少し背が高ければ、 クラシック作品でも様々なバレリーナと組むことが出来るのでしょうが・・・、
エスパーダをあそこまで踊り、 他の全幕物での演技も熱いと聞くので、 ゼヒこのままがんばって
プリンシパルへと昇進してほしいものです。

クチュルクとともに「ロミオとジュリエット」を踊ったイーゴリ・イェブラも素敵なダンサーでした。
恋の歓びにあふれるロマンチックな青年を、 魅力的な笑顔とともに見事に表現し、 キュートなイメージが
強かったクチュルクでしたが、 久しぶりに観た彼女は しっとりと上品な色香を漂わせる女性になっており、
そんな二人のパフォーマンスは、 美しい年上の女性と彼女の気持ちが自分にあることを知り歓びにあふれる
青年といった感じで(ジュリエットは年上ってことで(笑)) 観ていて幸せになるものでした。

シリル・ピエールの「白鳥」の王子も、 王子の心情が伝わってくる素敵なパフォーマンスで、 この1作品しか
出演しなかったのがザンネンでした。
スホルコワは美しい足(ザハロワのラインに近い)を持つ しとやかさのあるよいダンサーでしたが、 少々辛気
臭く感じてしまうところも。

ステパネンコとマハリナのオーラは圧巻。 こういうオーラを目の当たりに出来るだけで ぞくぞくします。(笑)
“ファムファタル”を演じさせたら右に出るものはいないマハリナの魅力は、 本当に貴重。 「瀕死の白鳥」も
彼女自身と重なるような、 胸に迫るパフォーマンスでした。
ステパネンコの場の支配力、 威風は本当に素晴らしい。 「ライモンダ」という作品はこういうものかとあらためて
知ったように思います。
そしてステパネンコといえば、 なんといっても“キトリ”。 子気味よく、 これまたキトリとはこういう女性と
あらためて知らしめてくれました。
ただ、 このパフォーマンスは、 “キトリとバジル”ではなく、 “キトリと彼女の末の甘やかされた弟” でした。(笑)
バジル役のコルサコフが怪我で本調子ではなかったことから、 この演目は他のダンサーたちの手助け演出が
組み込まれ(また、コルサコフ自身が皆から可愛がられキャラだったようで)、 それが逆に楽しかったワケですが、
コルサコフのダメ男クンぶりには笑えました。 とはいえ、彼なりがんばって踊る場面では、 調子が悪くても
それなりの美しさがあり、 さすがでした。
一部で踊った「薔薇の精」でも、 ロマン主義絵画から抜け出てきたような美しさ(太めなところがよりそんな
感じ(笑))を見せてくれたコルサコフ。 ダメ・バジルと太目だけど美しい薔薇の精で、 今回の公演の
かなりおかしい存在でした。


チャリティガラの感想がだらだらと長くなってしまったので、 既に記憶も薄らぎつつあるエトワール・ガラに
ついてはさらりと。(苦笑)

ルグリのパフォーマンスは やっぱり さすが!の一言。 彼の出演で舞台にぐっと厚みが出たように思います。
モローたちが観られなかったのは残念でしたが、 代わりがルグリというのは なんとも豪華。
特に「マノン」の彼は、 マノンに夢中で 恋の歓びにあふれる青年そのものの素晴らしさでした。
ちゃっと残念だったのは、 マノンのルンキナ。 本当に美しいお人形のような容姿ではありましたが、 なんだか
淡白な美しい娘というか、 本当の人形のようというか・・・。 それを “小悪魔的” と結びつけるには ちょっと
ムリがあり、 マノンを踊るのは初めてだとのことなので、 まだまだこれからなのでしょうけれど、 とにかく
“マノン” という感じはしませんでした。
その代わり、 マチューとの「白鳥の湖」では、 ルンキナのよさがロシア・バレエの美しさと共に 際立った
ように思います。
想いをつのらせる王子マチューと白鳥の化身ルンキナの物語を もっと観ていたいと思うパフォーマンス
でした。
マチュー・ガニオは観る度に大人っぽくなり、 今回の「白鳥」と「カノン」もとても素敵でした。
マリ=アニエス・ジロは本当に素晴らしいダンサーだと思いますが、 彼女が輝くのはなんといっても
コンテンポラリー作品。 「瀕死の白鳥」を踊るなら もっとぐっと作品を変えてしってもいいかもしれないと思いました。
イリ・プペニチュクは 自身で振付けた作品を踊り、 コリオグラフォアーとしての才能もなかなかのもの。
彼もこの舞台に厚みを加えたダンサーだったと思います。

シルヴィア・アッツォーニとバンジャマン・ペッシュ による「ロミオとジュリエット」もとても素晴らしいものでした。
ペッシュのロミオは純情な若者というよりは、 遊びもほどほどに知っている風(笑)ではありましたが、 逆に
そんな若者が 純粋に恋に落ちたせつなさをみなぎらせているようでした。
そして非常に素晴らしかったのが、 ジュリエットを演じたアッツォーニ。 彼女を観るのは多分始めてですが
柔軟な踊りと素晴らしい表現力を持つ本当に素敵なダンサーでした。
ペッシュと踊ったもう一つの作品でも その印象は変わらず、 また是非観たいダンサーとなりました。

モローら3人の降板で、 ルグリとともに急遽出演することになったマチアス・エイマンも これからが非常に
楽しみだと思える若手ダンサー。
ダイナミックさとエレガントさをあわせもち、 どこか愛嬌のある顔立ちがキラキラと輝いていて、 なんだか思わず
微笑んでしまいました。



以上、 それぞれに楽しんだガラ公演鑑賞記録。 (笑) 




                   新潟中越沖地震チャリティー     エトワールガラ08


◇チャイティーガラ演目
第一部
『眠れる森の美女』 グラン・パ・ド・ドゥ
 寺島ひろみ/アンドレイ・メルクリエフ
『薔薇の精』
 さいとう美帆/アントン・コルサコフ
『NE ME quittes pas ~行かないで~』
 アンナ・パシコワ
『白鳥の湖』 グラン・アダージョ
 ダリア・スホルコワ/シリル・ピエール
『ドン・キホーテ』 ジプシーの踊り
 高橋晃子
『ライモンダ』 第1幕のパ・ド・ドゥよりアダージョ
 ガリーナ・ステパネンコ/アンドレイ・メルクリエフ
『くるみ割り人形』 金平糖の精の踊り
 アリヤ・タニクパエワ
『シェヘラザード』
 ユリヤ・マハリナ/イリヤ・クズネツォフ

第二部
『アダージオ』
 アンドレイ・メルクリエフ
『マタハリ』
 ユリヤ・マハリナ/イリヤ・クズネツォフ
『海賊』 奴隷のパ・ド・ドゥ
 寺島まゆみ/芳賀望
『il pleut』
 松崎えり/大嶋正樹
『カルメン』
 アンナ・パシコワ/イリヤ・クズネツォフ
『ロミオとジュリエット』 バルコニーのパ・ド・ドゥ
 オクサナ・クチュルク/イーゴリ・イェブラ
『瀕死の白鳥』
 ユリヤ・マハリナ
『ドン・キホーテ』より居酒屋の場
 ガリーナ・ステパネンコ/アントン・コルサコフ/イリヤ・クズネツォフ/アンドレイ・メルクリエフ 他

第三部
Toshiによるミニ・コンサート(全3曲)
1曲目
アンドレイ・メルクリエフ/アンナ・パシコワ/高橋晃子



◇エトワール・ガラ演目
第一部
『眠りの森の美女』 第3幕より青い鳥
 メラニー・ユレル/アレクサンドル・リアブコ
『モーメンツ・シェアード』
 エレオノア・アバニャート/マニュエル・ルグリ
『白鳥の湖』 第2幕より
 スヴェトラーナ・ルンキナ/マチュー・ガニオ
『ロミオとジュリエット』 第3幕より寝室のパ・ド・ドゥ
 シルヴィア・アッツォーニ/バンジャマン・ペッシュ

第二部
『カノン』
 マチュー・ガニオ/アレクサンドル・リアブコ/イリ・プペニチェク
『瀕死の白鳥』
 マリ=アニエス・ジロ
『マーラー 交響曲5番 アダージェット』
 シルヴィア・アッツォーニ/バンジャマン・ペッシュ
『ドリーブ組曲』
 エレオノラ・アバニャート/マチアス・エイマン
『トリオ』
 マリ=アニエス・ジロ/イリ・プペニチェク/アレクサンドル・リアブコ
『マノン』 第1幕第2場よりパ・ド・ドゥ
 スヴェトラーナ・ルンキナ/マニュエル・ルグリ
 




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  1. 2008/09/07(日) 22:18:25|
  2. about D
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